霧ヶ峰オリエンテーション 1日目

 雨の心配、熱中症の心配、気苦労が絶えないのが教員の仕事とはいえ、行事(特に校外・宿泊行事)は心配事が多くなります。
 しかし、初日朝の様子を見ると、どうやらそんな心配も杞憂に終わりそうです。
 快晴とは言えない曇り空ではありますが、ここ数日の気温の高さや熱中症の心配を考えれば贅沢は言えません。
 
 さて、生徒の方ですが、実に順調なスタートです。
 全班、時間通りに六町駅のチェックポイントを通過、もちろん東京駅にも時間通りに集合完了。
 私の顔を見ると、ニコニコしながら「校長せんせ〜い。おはようございま〜す」と声をかけてくれる可愛い生徒たちです。

 出発式の態度も立派でした。話を聞くときは集中し、あいさつは一緒に集まっているどこの学校よりも大きな声を出していました。

 そんな生徒の心がけの良さが幸いしたか、今年もまた本校はグリーン車に当たりました。
 快適な新幹線の旅です。


 京都駅到着。こちらも薄曇りです。
 気温は27℃と暑さを感じる時間帯もありましたが、ほとんどが23℃程度で快適です。
 バスで一路奈良へ向かい、今日はほとんど奈良での活動でした。

 最初の見学地は「法隆寺」です。
 ここもそうでしたが、なぜか今回の3年生はツキがあり、ちょっとしたタイミングですいている中で見学することができました。
 まったく並んだり待ったりすることなく、余裕の中でゆったりと見学できました。


 次に向かったのが「薬師寺」です。
 ご存じの方も多いでしょうが、薬師寺での楽しみはお坊さんのお話です。
 何人かのお坊さんがお話を担当しているのですが、本日お話をして下さったのは、その中でも特に面白く、楽しいお話をする方だったそうです(旅行会社の方の情報です)。

 実際、テンポの良いシャレの効いた語りで生徒をひきつけ、笑わせ、大いに盛り上げた後でためになるメッセージをしっかりと伝えてくれました。「面倒」と「面白い」の違い、樹齢1000年、2000年の木材を使う職人さんの思い等々、色々と考えさせられました。
 しかも、これでしっとりとお話が終わるかと思ったその後で、「幸せ」「不幸せ」「詰め合わせ」で楽しませてくれました(何のことかわからないでしょうが、ぜひ、薬師寺でお話を聞いて下さい。3年生の保護者の皆さんは土産話をお楽しみに)。


 そして、本日のお寺巡りの最後は「興福寺」です。
 今、国宝館が工事中で、仮設のお堂での見学でした。
 しかし、私も何度か国宝館を訪問しましたが、お堂での見学も趣があり、しかもこの状態は今年だけですから、生徒にとってみれば将来、国宝館で改めて「阿修羅像」等を見学するチャンスがあるということでもあります。
 さらに良かったのが、「語り部の会」の3人の方々がクラスに一人ずつ付き、楽しくてためになる話をじっくりとしてくれたことです。知識も話術も素晴らしく、貸しきりの中での充実した時間でした。


 疲れが出てきたのか、バスの中で居眠りをする生徒が目立つようになってきた頃、興福寺からバスで10分ほどの距離の宿に着きました。
 部屋の点検や貴重品の管理等、やることはいっぱいあります。
 しかし、今日は新幹線の中で10時頃にお昼を食べただけですので、とにかくお楽しみの夕飯です。
 肉、茶碗蒸し、そば、ご飯、エビチリ、デザート等、おいしい夕食をたっぷりいただきました。
 何回もご飯をお代わりしている生徒もいました。


 お腹が一杯になったところで、風呂と漆器の加飾体験です。
 素晴らしいできばえの作品、つい手が滑って思うようにできなかった作品、しかし、どの作品も世界で一つだけ、自分だけの作品です。
 学校の展示会でご覧いただけると思います。どうぞお楽しみに。


 寝る時間が近づいてきています。班長会で明日の動きの確認もしました。
 友達との貴重な時間を大切にしたいという思いもあるでしょうが、明日、健康で、たっぷりと楽しむためにもゆっくり休んで下さい。

 では、お休みなさい。