ある男子生徒(高校生)の話です。
学校が再開して、新1年生として初めて登校した日のこと。分散登校のため教室には通常の約3分の1程度の生徒しかいなかったのですが、初めての顔合わせです。みんな緊張した様子で会話もなく、先生の指示をじっと待っていたそうです。何となくその様子は目に浮かびますね。
程なくして学活が始まり、担任の先生から「筆記用具を出して」と言われました。すると女子生徒の一人がうっかり筆記用具を忘れてしまっていたそうです。その生徒は恥ずかしそうに、申し訳なさうそに「筆記用具を忘れてしまいました」と伝えます。
すると先生は急にバタバタと慌てだし、他の先生と「どう対応すればいいのか。(筆記用具を)貸してもよいのか…」と協議をし始めたそうです。
入学したばかりの1年生です。まだ他の生徒や先生方と意思の疎通ができない生徒たちはひたすら沈黙。忘れてしまった生徒本人は当惑し、孤立…。先生はあたふた…。実際にはわずかな時間だったのでしょうが、きっとそこにいた全ての人たちにとってはとても長い時間に感じたのではないでしょうか。
結局、近くに座っていたその男子生徒が「自分の貸すよ」と言って差し出したので、何事もなかったかのようにその場はおさまったとのことでした。
なぜ、こんな話を持ち出したのか。続きは明日。
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