途中に「お詫び」を挟んでしまいましたが…
「ある男子生徒のお話」は、今日が最終回。
筆記用具を忘れてしまった生徒、貸してあげた生徒、すぐに貸すことをためらった先生。
この話は、どの行動が正しいとか、間違っているとかを問うものではありません。これこそまさに、私たちがこれから求められる「新しい生活様式」なのではないか、と感じたのです。しかしまだ確立された様式ではありませんから、立場や考え方により行動に違いがあっても仕方ないことだと思っています。
今回の件も、そもそも初日に筆記用具を忘れてくる本人が悪い、と思う人がいるかもしれません。また、仮に教員が「誰か筆記用具を貸してあげて」と安易に言ったとしたら、「感染防止の危機管理意識が低い!」と思われてしまうかもしれません。
その男子生徒にはこんな話をしました。
「借りた子が家に帰っておうちの人にその話をしたら、おうちの方に『その生徒が感染者だったらどうするんだ!知らない人のものを借りるんじゃない!』と怒られてたりしてね」。
そんな話をすると男子生徒は「えっ!?」という顔をしながらも微笑んでいました。
「でも、もし貸すだけ貸して、返してくれようとしたときに『いや、返さなくていい』などと言ったら…」と言うと、「そんなひどい人間じゃない!」と言って大笑いしていました。
この話は先生方にも伝えています。今までは許容できた貸し借りにも気を遣うことは確かです。かといって忘れ物をしてしまった生徒がいたときに、私たちがアタフタすることは避けたいものです。
「だから貸出用筆記用具を用意したい。先生方の私物で、もし不要となって使われなくなった文房具があったら寄付してほしい。当面の間、生徒間の貸し借りではなく、私たちで貸出用を用意して対応しましょう」
上の写真が、先生方の善意です。使用後はしっかり消毒をして次の貸し出しに備えています。もし筆記用具を忘れてしまったら、遠慮なく申し出てください。
「新しい生活様式」が定着するには、まだ時間がかかるでしょう。もしかすると定着する前に忘れ去られてしまうのかもしれません。もし忘れ去られたとしたら、その時にはもう「新型コロナウイルス」は怖いものではなくなっているはずです。
その日が来ることを願っています。
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