鹿浜菜の花中学校

校長日記

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2020年7月17日(金)
習慣化された仕草

本人の了承を得ていないので、名前を載せることは控えておきましょう。

昨日のことです。
職員室と校長室は隣り合わせですので、校長室の扉を開けていると、職員室に来る生徒の様子がよく見えるのですが、なんとも素敵な場面を見ることになりました。

1年生男子生徒が職員室の扉をノックしようとした瞬間に、突然その生徒は後方を振り返りました。「どうしたのかな。職員室に入りにくいのかな」と思って見ていると…
後ろから来た誰かを先に職員室へ通すような仕草をしながら身を引いて、後方から来た人を先に入れようと、道を空けたのです。
後方から来たのは工事関係の業者の方でした。その方は生徒にお辞儀をして職員室に入っていきました。それを見とどけ、男子生徒は改めてノックをして職員室に入っていきました。

思わぬ光景に、私も職員室へ向かい、男子生徒に声をかけました。
「偉いですね、今、業者の方を先に通したね。いつもそうしているの?お家でもそうするの?」
突然の校長からの問いに驚いていた様子でした。恐らく自分でも意識していないほど習慣化された自然な動作であったため、記憶にさえ残っていない行動なのだな、と思いました。

我れ先に!という時代。大人でさえ、人に気を遣うことができない人が増えてきている世の中において、この仕草を中学1年生の男子生徒が行ったことにびっくりしました。

この仕草を学校教育で教えることはありません。きっとご家庭の教育、もしくは身近な大人の自然の振る舞いを見て学び、いつの間にか身に付いた仕草なのでしょう。

校長室の扉を開けていると、こんな素敵な場面にも出会えるのだな、と思いました。