定期考査は、これまで習ったことがどれだけ身に付いているかを知り、何が身に付いていなかったのかを知るもの。なので身に付いていなかった部分を知ったら、改めて勉強し直してその部分を身に付ければよい。
昨日、このようなことをお伝えしたのですが、定期考査にはもう一つ、日本特有の文化があります。それは「〇×」です。
日本の答案用紙の多くは、正解であれば「〇」、間違っていれば「×」で構成されています。○をもらうと嬉しくなります。×をもらうとがっかりします。これ自体は悪いことではありません。ただし学習効果という観点からすると、マイナス効果になることがあります。
お伝えしたように、本来定期考査は「何が身に付き、何が身に付いていないか」を知ることが目的です。特に注目しなければいけないのは「何が身に付いていないか」です。しかし返却された答案を見たときに、どこに注目するかというと、やはり「○」に意識がいきます。「×」からは目を背けたくなります。
「×」は「バツ」で「罰」=「ダメなこと」というイメージがありますから、気持ち的に避けたくなるのは当然です。しかし学習においては、ここに注目してほしいのです。
正解を褒めるために○をつけることが日本文化のようですし、それが悪い訳ではありません。しかし諸外国では正解にマークを付けないことも多いようです。正解の問いは特に確認する必要はないため何も印をつけない。間違ったところにチェックをつけて「ここをよく見直して」と注目させる。
私はこの方が学習効果が上がるのではないか、と思っています。
私たちは「悪いことをしてはいけません」と教えます。時には「罰」を与えることがあります。答案用紙上の「×」は、この「罰」を連想してしまうことがないでしょうか。しかし、学習においては「間違うこと」は悪いことではありません。「できないこと」も悪いことではないのです。むしろ「できないこと」「わからないこと」に気づくことの方がとても大切なのです。
(明日に続く)
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