コロナ禍において部活動については改めていろいろなことを考えさせられました。長く続くこの制度はいつの間にか「生徒がやりたい」のではなく「大人がやらせたい」になっていないか、生徒が主体と言いながら、大人の都合で運営されていないか。生徒に達成感を味わわせるという大義名分のもと、本当は指導者が満足したいだけなのではないか。そんな悩みを一気に吹き飛ばしてくれる判断をした2年生。
昨日お伝えした「考査の真っ最中に、無理に学校で練習をして迷惑をかけてはいけない。自分たちで自主練ができるから大丈夫です」という判断は、今の学校教育が抱える一つの課題を見事に解決してくれる英断であり、これからの価値観として尊重されるべき判断である、と思いました。
そしてこれは、今の学校教育の10年先をいく考え方だ、と思いました。そう、大切なことは、2年生が「自分たちで考えた」ということ。賞賛すべきは結論ではなく、そのことについて自分たちで考えて判断したことにあります。
実はこうしたことを2ヶ月前に3年生全員がしています。世の中は、中止となった公式大会の代替試合を開催すべきかで揺れていた時期。本校の3年生は学年集会を開き、この問題と向き合いました。
「代替試合や大会が実施できない部活動もある。仲間が大会に出られなくても、自分さえ出場できるなら、それでいいのだろうか」
このときはすでに、大人によるレールが敷かれる気配を感じていましたので、3年生の思い通りにことは運ばないかもしれないと思っていました。なのであえて校長日記に書くことを控えましたが、結論がどうであったかではなく、こうした問題に3年生は「自分たちのこと」として向き合いました。
それ知ってか知らずか、定期考査と大会前練習について、自ら考え判断した2年生。考える力というバトンは、いつの間にか3年生から2年生へと引き継がれていました。生徒たちは、私たちの遥か前を歩いているような気がして頼もしくなりました。
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