先週、7組ではトランプを使った「神経衰弱」をやりながら「自立活動」の授業を行っていました。そういえば私自身、「神経衰弱なんて、最後にやったのは一体いつだろう?」と思いながら様子を見ていました。
このカードゲームの考案者が誰なのかは知りませんが、何とも的確な名前をつけたものです。本当に神経がすり減るゲームです。7組さんでは4人組で取り組んでいたのですが、私の思いつく限りでも、次のような力が必要になります。
〇カードをめくるための順番を守ること。(みんなが好き勝手にカードをめくってはいけません)
〇自分がめくったカードの数字を覚えておくこと
〇自分がめくったカードの位置を覚えておくこと
〇自分以外の人がめくったカードの数字と位置を覚えておくこと
鍵になるのは「自分のやったことだけを認識している」だけではいけないということになります。4人組でやる場合、自分を含めた4人のめくるカードの数字、位置を記憶する必要があるのです。
しかも自分に順番が回ってくるのは4回に1回。その間に、自分が記憶していたカードを取られてしまったりすると、またゼロから情報を収集しなくてはいけません。この「記憶をリセットする力」も実は大変重要な力です。一度覚えたこと、気になったことが、いつまでも頭から離れなくなってしまうと、新しい行動に移ることができなくなってしまうからです。
人の能力に置き換えると、これが「忘れる力」ということになります。
AIが人間を上回る時代が来ると言われる昨今において、AIには出来なであろうといわれる力が、この「忘れる」力。コンピューターの性能がどんどんよくなり、いくらでも記録(記憶)ができると思われがちですが、どんなに優秀なメモリーでも、その容量には限界があります。だからデータがいっぱいになってしまうと、「人」が「古いデータを消去」しなければなりません。
次に進むには「忘れる」ということも大切な力なのだと、神経衰弱は改めて教えてくれました。
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