鹿浜菜の花中学校

校長日記

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2020年10月7日(水)
前期を振り返って 3

先日、自宅近所の道路に「絵」が書かれていました(上の写真)。恐らく、小さなお子さんが書いたものでしょう。みんなで仲良く路面に絵を描いて遊ぶ、という光景が目に浮かびます。私たちが小さかった頃は、当たり前の遊びだった気がしますが、今ではめずらしい遊びのようにも感じました。
一方で職業柄かもしれません。「これをもし中学生がやっていたら、恐らく中学生がたむろして公共物に落書きをしている」と言われてしまうのではないか、とも思ってしまいました。いつまでを幼少期と言っていいのか分かりませんが、幼少期では許される行為も、中学生になると犯罪となる可能性が出てくる。
なので私たちは中学生に「これまでとは違うよ」と言うことを教えていかなければいけません。小学生の頃までは微笑ましく思われた行動が、制服を着るとそうは思われなくなる。中学校の生活指導が大変重要である理由です。

さて、前期の振り返り、今日は生活全般についてです。

学校は生徒の皆さんの命をあずかるところです。そうした意味において、命にかかわるような事故が起きなかったことには、ホッと胸をなでおろしています。健康第一。安全第一。これは後期も引き続き大切にしていきます。

一方で、前期に少し心配だったことを挙げておきます。

〇学校行事が中止となり、友達ができにくかったという生徒がいます
〇失敗や過ちを、その後の生活に生かすことができない生徒がいます
〇漠然とした不安やストレス、イライラを抱えている生徒がいます

最後にあげた「不安、ストレス、イライラ」はアンケート調査からもその傾向をみとることができています。休校明けにおこなったアンケート調査によると、「やる気が出ないことがある」に「ある」と答えた生徒が、各学年とも30%を超えています。また「むしゃくしゃしたり、いらいらしたり、かっとしたりする」に「ある」と答えた生徒は、20%を超えています。実に5人に1人が「漠然とした不安を抱え葛藤している」ということがわかっています。
これは新型コロナウイルスによる社会情勢や長く続いた休校など、今まで経験したことのない事態が原因ではないかと考えられています。特にその影響は現在の1年生に強く表れているようにも感じます。人生の大切な節目と言える「小学校の卒業式」や「中学校の入学式」を経験できなかったことは、私たちの想像を超える不安や無力感を与えてるのかもしれません。

私たちはそれにできるだけ「寄り添う」という方法で支えていくことにしています。不安やストレス、イライラが表面化した時に「何をやってるんだ!」ではなく「どうしたの?何があったの?」と声をかけていきます。どうぞご家庭でも、お子さんが不安やストレスを抱えていないか声をかけてあげてください。もしそれが行動面に現れたときは、しかりつける前に「どうしたの?何があったの?」と声をかけてあげてください。
焦らず、慌てず、寄り添っていきましょう。