鹿浜菜の花中学校

校長日記

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2020年11月6日(金)
「愛着」ということ 2

鹿浜菜の花中学校には、屋上庭園があります。ちょうど今、そのスペースを使って技術科で「栽培」の授業を行っています。作品は「大根」(上部写真)。
校内を巡回していると、いつの間にか立派に育った大根の葉っぱがたくさん顔を出していることに気がつきました。自分で育てた農作物を自分で収穫して食す。とてもいい情操教育(心の教育)だなと改めて感じました。

さて、昨日の続きです。「愛着形成」をする時期にそれができないと、何が起きるのか…。今私が読んでいる医療系漫画「リエゾン 〜こどものこころ診療所〜」より続きを紹介します。

「乳幼児期の子どもにとって、この世界は未知のものばかりですから、本来は不安でたまらないものです。でも養育者が一緒にいれば初めての場所でも安心して動き回ることができる。これは安心材料となる愛着が形成されているからなんですが…
もし安心を与えてくれるはずの親が虐待をしていると、子どもはどうなると思いますか?

抱っこしてほしい。褒めてほしい…。

日々の欲求を何百何千回と拒絶された子どもは人に期待しなくなります。
たとえば肌に触れることは、長く虐待を受けた子どもにとっての癒やしにはなり得ず、むしろ攻撃になってしまう。
暴力や暴言を受けることが日常的な環境…、極度の緊張状態で育った子どもは生きる基盤を失います。
その結果として引き起こされるのが、愛着障害です。」(引用終わり)

繰り返しになりますが、今月11月は「児童虐待防止月間」です。虐待は連鎖する、とも言われています。そうした環境で育つと、自分もそうしてしまうかもしれない。そうならないためにも…

中学生もまだまだ不安をたくさん抱えている年頃です。さすがに抱っこはしてあげられないけれど、目をみて話を聞いてあげる、褒めてあげる、心配を抱えていそうだと思ったら側にいてあげる。「安心して。大丈夫だよ」と伝えてあげましょう。

そして大根を持って帰ってきたら「この大根、美味しいね!」といって一緒に食べてあげましょう(^^)