鹿浜菜の花中学校

校長日記

<<前のページ | 次のページ>>
2021年3月24日(水)
式辞

卒業式以来の更新です。今年度も残り2日となりました。
今日は卒業式で私から卒業生へ送った「式辞」を掲載せていただきましょう。

式辞       
新校舎で初の入学式を迎えて約3年が経ち、移り変わっていく季節の中で、たくさんの変化がありました。卒業していかれた先輩の姿を見習ったり、先生たちから学ぶことがたくさんありました。この3年間で友達や先輩方や先生など、いろいろな人たちに出会い、恵まれた環境で成長できたこと、卒業できることを嬉しく思います。3年間ありがとうございました。
これは今日、ここにいる卒業生の皆さんが、本校の開校五周年にあたり、贈ってくれたメッセージです。この良き日に、鹿浜菜の花中学校を巣立つ三年生の皆さん、そして、保護者の皆様、卒業おめでとうございます。

思い起こせば3年前、新築されたこの校舎に、初めて足を踏み入れたのがここにいる皆さんでした。当時は先生たちもまだどこに何があるのかよくわからない状況でした。生活感のない新しい校舎はどこか無機質で、日常を感じさせず、回廊のような作りはまるで、要塞のようでした。しかし皆さんの元気な笑顔が、この校舎に一気に生命を宿してくれました。学校は生徒がいて成り立つものだと、改めて実感できた瞬間でした。
私はことあるごとに、「この学年の取組が鹿浜菜の花中のスタンダードになる」と先生方に伝えてきました。服部学年主任を中心とした、常に一歩先を見越した学年経営。何があっても決して大きな声を出したり、力で押さえようとはせずに、寄り添い、最後まで話を聞き、一人一人の個性を大切にしていく指導。この姿勢はもはや本校のスタンダードになりました。そして皆さんは、その指導に心から答えてくれました。本当にありがとう。

七組の皆さん、改めまして卒業おめでとうございます。皆さんは、自分たちが入学してきたときのことを覚えていますか。3年前、7組は生徒数わずか十二名でした。それが今となっては二十八名、来年度は三十名を超えます。これは今ここにいる6人の卒業生が、毎日を楽しく過ごし、しっかりと成長したからに他なりません。鹿浜菜の花中学校の7組に行けばみんなのようになれるのだと思い、後輩たちはこの学校に来てくれているのです。3年間、7組の発展に力を発揮してくれてありがとう。

私はこの3年生が活躍する運動会を見たい、心の底からそう思っていました。3年生になった皆さんの力強い歌声を合唱コンクールで聞いてみたい、と思っていました。皆さんが最上級生として、どのようなリーダーシップを発揮するのか楽しみにしていました。「鹿浜菜の花中学校で過ごすと、こんな立派な3年生になることができるのだ」という勇姿を、本当に見てみたかった、そう思っています。校長として初めての修学旅行も、皆さんと行ってみたかったです。しかし、その思いの十倍、いや百倍悔しい思いをしているのは、ここにいる皆さんであることを、よくわかっています。「なぜ自分たちなのか」。今この場所に正解はありません。「なぜ自分たちだったのか」。その答えを探す旅が、今から始まります。
 
鹿浜菜の花中学校のスタンダードとなってくれた、第五期生の皆さん、皆さんが築き上げ残してくれた伝統は、本日ご臨席いただくことが叶わなかった来賓の方々、地域の皆様に確実にお伝えし、大切に引き継いでいくことを教職員、在校生を代表して約束いたします。
皆さんの前途に幸多かれと祈り、式辞といたします。

  令和三年三月十九日
       足立区立鹿浜菜の花中学校長 大久保 隆一

※一部省略して掲載しています