鹿浜菜の花中学校

校長日記

<<前のページ | 次のページ>>
2020年4月9日(木)
「式辞 その2」

写真左:入学式用に準備した生花   写真右:祝電

 (前日より続き 一部重複)

 3月2日より突如として学校は休校となりました。六年間を共に過ごした友達や、お世話になった先生方との最後の思い出を、十分に創り上げることが出来ないまま、皆さんは小学校を巣立ったことでしょう。「いつも」であれば、私たち中学校の教職員も、卒業式にお招きいただき、「卒業おめでとう」の言葉を直接お伝えしていました。しかし今、世界を脅かしている新型コロナウイルスの脅威は、それを許してはくれませんでした。これまで当たり前のように行ってきた「いつもの風景」が、当たり前ではないということを思い知らされました。その余波は、今日、この日まで続いています。
 
 世界の情勢は今すぐに変わるものではないかもしれません。「いつもの風景」を取り戻す戦いは長期戦になるとさえ言われています。これがもし戦いだとするのなら、この戦いを乗り越えるすべは一つ。「今を大切に」です。この先どうなるのか、いったい何が起きるのか、それは誰にもわからないことです。当たり前の毎日が、どれだけ「かけがえのないもの」であるのか、それはこの春、100日間にわたりインターネットに配信されていたワニさんの四コマ漫画も教えてくれています。これからも、いつもとは違う窮屈な生活がしばらく続くのかもしれません。予定していたことが急遽変更になることもあるでしょう。思い通りにならないことの方が多いかもしれません。こうした時だからこそ、今を大切に。
 新入生の皆さん、そして保護者の皆様、これからの鹿浜菜の花中学校での一日一日の生活を大切に過ごしていきましょう。そして自ら学び、豊かに鍛え、共に歩む。そんな中学校生活を過ごすことが出来ることを祈念して、式辞といたします。
 
   令和二年四月七日
     足立区立鹿浜菜の花中学校 校長 大久保隆一
 
 本来、式辞をこのような形で披露すべきではないのかもしれません。しかし入学式がいつ執り行われるかわからないまま時間だけが過ぎていき、きっと新入生の皆さんも自分が中学1年生になったのか、まだ小学生のままなのか、迷ったり不安に思ってしまうことがあるかもしれない。でも大丈夫。皆さんはもう鹿浜菜の花中学校の生徒です。そんな思いもあり、式辞を送らせていただきました。
 2年生、3年生も同じです。「緊急事態宣言」が発令され、ますます窮屈な毎日を過ごさなければいけない不安、そしてそれ以上に、いつ新型コロナウイルスに感染してしまうのかわからない不安の中で過ごす毎日に疲れを感じている人もいるでしょう。皆さんも鹿浜菜の花中学校で、立派に進級していますから、どうぞ安心してください。
 私たちは、皆さんが登校してくる日を心待ちにしながら着々と準備をしています。